上の図のLDLコレステロール値(悪玉コレステロール値)・HDLコレステロール値(善玉コレステロール値)・トリグリセライド値(中性脂肪値)のうち1つでも以上があれば高脂血症(脂質異常症)と診断されます。
※この診断基準は薬物療法の開始基準を表記しているものではありません。
※薬物療法の適応に関しては他の危険因子も勘案し決定されるべきものであります。
LDLコレステロール値は直接測定法を用いるかFriedewaldの式で計算します。
Friedewaldの式
LDLコレステロール値=
総コレステロール値―LDLコレステロール値―トリグリセライド値/5(トリグリセライド値が400mg/dl未満の場合)
トリグリセライド値が400mg/dl以上の場合は直接法にてLDLコレステロール値を測定します。
平成19年4月に出ました、動脈硬化性疾患ガイドライン2007年版では、高脂血症(Hyperlipidemia)という病名が脂質異常症(Dyslipidemia) に変更になっています。
これは、HDLコレステロール値(善玉コレステロール値)は低い方が動脈硬化の危険性が高いのに(数値が低い方が病気なのに)、これを高脂血症(数値が高い方が病気)と呼ぶのはおかしいという考えによるものです。
また、今回の動脈硬化性疾患ガイドライン2007年版では、高脂血症(脂質異常症)の診断基準として、皆さんが一番重要と考えておられるであろう総コレステロール値が診断基準からなんと除外されています。
これは、上記のFriedewaldの式を使いますと、
総コレステロール値=
LDLコレステロール値+HDLコレステロール値+トリグリセライド値/5
で計算されますので、LDLコレステロール値(悪玉コレステロール値)が低くてもHDLコレステロール値(善玉コレステロール値)がかなり高い人は、本当は動脈硬化の危険性が非常に低いにもかかわらず、総コレステロール値が高値のため治療が必要という矛盾が起こるためです。
また、総コレステロール値が正常(220mg/dl未満)であってもLDLコレステロール値(悪玉コレステロール値)が140mg/dl以上となっている場合も考えられるためです。
ただし、実地医療や健康診断の現場では総コレステロール値の測定が一般的に行われているため、高脂血症(脂質異常症)の診断基準(空腹時採血)参考!!
高コレステロール血症 |
総コレステロール値 |
220mg/dl 以上 |
と、総コレステロール値が220mg/dl以上の場合は、今まで通り高脂血症(脂質異常症)の診断のための重要な参考項目になります。